転職を成功させるためには、面接で自分の強みや経験を的確に伝えることが重要です。しかし「どんな質問をされるのか不安」「自分の答えが適切かどうか心配」と感じている方も多いでしょう。

そこで、この記事では転職面接でよく聞かれる質問15選を紹介します。回答例や面接をスムーズに乗り切る方法についても解説するので、転職活動中の方はぜひ最後までご覧ください。

転職面接の序盤で聞かれること

転職面接の序盤では、次のような質問をされることが多いです。

  • 自己紹介をお願いします
  • 自己PRをお願いします
  • 当社を志望した理由は何ですか
  • 現職の仕事内容を教えてください
  • 退職理由を教えてください

自己紹介をお願いします

自己紹介は、面接官が候補者の人柄や職務経験、専門スキルを簡潔に把握するために行われます。そのため、簡潔でありながらも要点を押さえた回答をすることが重要です。まず、自分の名前や経歴を簡単に述べたうえで、転職理由やその会社を選んだ動機についても軽く触れましょう

回答例)
はじめまして、◯◯と申します。IT業界で7年間、主にシステム開発やプロジェクトマネジメントに従事してきました。特に、クラウドサービスの開発プロジェクトではリーダーを務め、サービスリリース後にユーザー数を目標の150%まで伸ばした実績があります。これまで培ったプロジェクト管理スキルやクラウドサービスの技術知識を、御社でさらに深めて貢献したいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

自己PRをお願いします

自己PRの質問は、候補者が自身の強みをどれだけ把握し、それを仕事に結びつけて説明できるかを見極めるために行われます。そのため、まず自分の強みを具体的かつ簡潔に述べることが重要です。その後、強みをどのように発揮して成果を上げてきたのか、実際のエピソードを交えて説明しましょう。

回答例)
私の強みは計画を行動に移し、着実に成果を出す実行力です。前職では市場分析を基にした提案を通じて、新規顧客契約率を20%向上させました。この経験を活かし、御社のITソリューション事業で新規顧客開拓に貢献したいと考えています。

当社を志望した理由は何ですか

志望理由は、候補者のスキルや経験が企業の価値観や事業内容とどれほど一致しているかを確認するために質問されます。そのため、志望理由を答える際には、応募先企業に特化した回答を用意することが大切です

企業の特徴や事業内容、ビジョンなどをしっかりと調査し、それらと自分のキャリアや価値観がどのようにマッチするかを具体的に述べましょう。

回答例)
私が御社を志望した理由は、再生可能エネルギー事業、特に「地域共生型太陽光発電」の取り組みに強く魅力を感じたからです。この取り組みが地域社会に貢献しながら持続可能なエネルギーを普及させる点に強く共感しており、私のプロジェクトマネジメント経験を活かしてさらに推進したいと考えています。また「持続可能な未来の創造」という企業理念に共感しており、これを実現するために必要なプロジェクトの進行や関係者間の調整を、私の経験を活かして貢献したいと思っています。

現職の仕事内容を教えてください

採用担当者はこの質問を通じて、候補者が実際にどのような業務に従事してきたか、どの程度のスキルや知識を持っているのかを具体的に知りたいと考えています。そのため、まず職種や役職を述べたうえで、具体的な業務内容を分かりやすく整理して話しましょう

回答例)
私は現在、◯◯株式会社でBtoBの法人営業を担当し、新規開拓や既存顧客のフォローを行っています。昨年度はデータ分析を活用した提案により、担当エリアの売上を前年比20%向上させました。また、顧客の要望を製品開発部門にフィードバックし、改善提案を実行に移すことで、顧客満足度向上に貢献しました。これらの経験で培った提案力と顧客対応力を、御社で活かしたいと考えています。

退職理由を教えてください

面接官が転職理由を尋ねるのは、退職や転職を考えた理由を確認し、同じ理由で退職する可能性がないかを判断するためです。そのため、退職理由を答える際にはネガティブな表現を避け、前向きな姿勢を示すことを意識しましょう

回答例)
現在の会社では、営業職として新規顧客の開拓や既存顧客との関係構築に携わり、多くの経験を積むことができました。しかし、社内でのキャリアパスが限られており、今後の成長が難しいと感じるようになりました。そのため、自分の提案力や市場分析のスキルをさらに高め、新しい環境でより大きな成果を目指したいと考え、転職を決意しました。御社の事業内容や募集要項に共感し、自身のスキルを活かして御社に貢献できると感じております。

転職面接の中盤で聞かれること

転職面接の中盤で聞かれることは、以下の通りです。

  • キャリアプランはありますか
  • 大きな失敗をどのように乗り越えましたか
  • 入社後にやりたいことは何ですか
  • やりがいを感じる瞬間はいつですか
  • 長所・短所を教えてください

キャリアプランはありますか

転職面接では、候補者が自身のキャリアについてどれだけ真剣に考えているかを確認するため、キャリアプランについて質問されることが多いです。この質問に答える際には、自分の目標を具体的に述べ、それが応募企業の環境やビジョンに合致していることを示しましょう

回答例)
まず営業職として新規のお客様の獲得に努めるとともに、既存のお客様との関係強化を図り、成果につなげていきたいと考えています。その後はリーダーとしてチームをまとめ、業務改善やメンバーの成長をサポートし、組織全体の売上拡大や効率化を推進する立場を目指したいです。

大きな失敗をどのように乗り越えましたか

候補者の責任感や分析力を確認するために、過去の失敗を聞かれることがあります。この質問に答える際は、具体的なエピソードを用意し、状況と失敗の原因を簡潔に説明することが大切です

さらに、その経験から得た教訓やスキルを明確にし、応募企業でどのように活かすかを伝えると、責任感や分析力を効果的にアピールできます。

回答例)
以前、道路工事の施工管理を担当した際、資材発注の遅れにより工期の進行が一時的に中断したことがありました。原因を確認すると、発注時の確認不足や予備資材の未確保が問題であると判明しました。そこで、サプライヤーと迅速に調整し代替品を手配すると同時に、作業手順を見直して遅れを挽回しました。この経験を通じ、資材管理の徹底やリスク発生時の柔軟な対応が工程を円滑に進める鍵であることを学び、以降はチェックリストを活用し、発注の確認から資材の手配まで漏れなく管理しています。これらの経験を、御社の現場運営でも活かしたいと考えています。

入社後にやりたいことは何ですか

面接官が入社後にやりたいことを尋ねるのは、候補者が目指す方向性と企業が求める役割がどれだけ一致しているかを確認するためです。この質問では、まず企業の現状や業務内容について理解を示したうえで、自分のスキルや経験をどのように活かしていくかを述べましょう

回答例)
御社に入社後は、まず学校向けの教材開発プロジェクトに積極的に参加し、現場の声を反映した教材作りに取り組みたいと考えています。以前の職場では教育現場のニーズを調査し、それを形にすることで利用者から高い評価をいただいた経験があります。この経験を活かし、御社の既存教材の改良や新規教材の企画に貢献したいと考えています。

やりがいを感じる瞬間はいつですか

企業がやりがいを感じる瞬間を質問するのは、候補者の価値観やモチベーションの源が、企業の文化や仕事のスタイルに合っているかを確認するためです。この質問に答える際は、自分がどのような状況でやりがいを感じ、それが仕事にどのような影響を与えたのかを明確に説明することが重要です。

回答例)
私がやりがいを感じるのは、ご利用者様やご家族から感謝の言葉をいただいたときです。以前、リハビリを支援したご利用者様が歩けるようになり、笑顔で感謝を伝えてくださった際、大きな達成感を覚えました。この経験から、介護職は生活の質を向上させるだけでなく、人生に寄り添う責任のある仕事だと実感しました。

長所・短所を教えてください

転職面接では、候補者が自分の強みや弱みを正確に把握し、それを適切に伝えられるかどうかが確認されます。長所は具体的なエピソードを交え、応募先でどう活かせるかを説明しましょう

短所は弱点だけを述べるのではなく、克服のための努力や成長の過程を加え、前向きな印象を与えることが重要です。

回答例)
私の長所は計画性です。前職ではプロジェクトのスケジュール管理を担当し、タスクを細分化して優先順位を明確にすることで、厳しい納期の案件もすべて期限内に完了させました。この経験を活かし、御社の業務効率化や成果向上に貢献したいと考えています。一方、短所は一度に多くの業務を抱えると報告が遅れがちになる点です。ただ、その課題に気づいてからは定期的な進捗報告のタイミングを設けるようにし、チーム全体で状況を共有できる仕組みを作るよう努めています。

転職面接の終盤で聞かれること

転職面接の終盤では、次のようなことを質問されます。

  • 他に受けている企業はありますか
  • 希望の年収はどのくらいですか
  • 転勤が発生した場合は対応できますか
  • 残業や休日出勤は問題ありませんか
  • 何か質問はありますか

他に受けている企業はありますか

面接で「他に受けている企業はありますか」と聞かれるのは、応募者がどんな基準で企業を選んでいるのかを確認し、自社への志望度を判断するためです。他に応募している場合は、業界や職種について簡単に触れる程度にとどめ、具体的な企業名は避けるようにしましょう

他社を受けていない場合は、応募企業への志望理由を補足し、選考に集中していることを伝えましょう。

回答例)
現在、◯◯業界で他に2社へ応募しています。いずれも御社と同じく、これまでの経験を活かして新しい挑戦ができる環境を重視して選考を受けております。御社ではこれまで培った営業力やプロジェクト管理スキルを活かし、業務効率化や新規顧客開拓に貢献できると感じており、第一志望とさせていただいております。

希望の年収はどのくらいですか

希望年収を問う質問は、候補者の希望が企業の給与レンジと合致するかを確認し、入社後のミスマッチや辞退を防ぐ目的があります。この質問に答える際は、市場相場や自身のスキルを考慮して希望を伝え、具体的な数字に幅を持たせて交渉の余地を示すことが大切です

回答例)
これまでの経験やスキルを考慮し、希望年収は500万円から550万円を想定しております。ただし、御社での具体的な業務内容や役割を伺いながら、柔軟にご相談させていただければと思います。

転勤が発生した場合は対応できますか

転勤対応の可否を確認する質問は、会社の配置計画や事業展開に対応できる人材かどうかを見極めるためにされます。答える際は、自分の考えを明確にし、可能であればその理由や柔軟性をアピールしましょう。制約がある場合は正直に伝えつつ、他の形で貢献する意欲を示すことが大切です。

回答例)
はい、転勤については対応可能です。これまでの経験から、環境が変わることも新たな成長の機会だと考えております。特に御社のように全国的に展開されている企業であれば、さまざまな地域での経験を積むことで、より幅広い視点で業務に取り組めると感じております。

残業や休日出勤は問題ありませんか

転職面接では、残業や休日出勤が可能かどうかを問われることがあります。問題がない場合はその理由を簡潔に述べ、前向きな姿勢を示しましょう

一方、家庭の事情や健康上の理由で制約がある場合は、無理のない範囲で対応する意思を伝えるとともに、別の形でどのように貢献できるかを具体的に示すことが大切です。

回答例)
残業や休日出勤については、特に問題なく対応可能です。前職では繁忙期に月20~30時間の残業や、緊急対応で休日出勤することもありましたが、計画的にスケジュールを調整して業務を円滑に進めてきました。御社でも必要に応じて柔軟に対応したいと考えています。

何か質問はありますか

候補者が企業や業務について真剣に考えているかを確認するために、面接官から逆質問があるか尋ねられることがあります。その場で質問を考えるのも効果的ですが、とっさによい質問が思い浮かばないこともあります。

そのため、事前に業務内容や会社のビジョンを調べ、質問をいくつか用意しておくことが大切です

回答例)
現在、この部署で進行中のプロジェクトについて教えていただけますか?また、その中で新しいメンバーに期待される役割についてもお伺いしたいです。

転職面接をスムーズに乗り切る方法

転職面接をスムーズに乗り切るために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 過去の経験を整理する
  • 強みや価値観を明確にする
  • 模擬面接で練習する

過去の経験を整理する

過去の経験を整理することで、キャリアプランややりがいを感じる瞬間が明確になり、自信を持って面接に臨めるようになります。また、経験を裏付ける具体的なエピソードや数字を準備することで、面接官に実績が伝わりやすくなります。

そのため、面接前に職務経験や実績、印象に残っているエピソードなどを書き出しておきましょう

強みや価値観を明確にする

過去の経験を整理したら、どのような場面でどんな強みを発揮したのか、どのような価値観を持っているのかを確認しましょう。自分の強みや価値観が明確であれば、面接で自己PRや長所・短所を聞かれた際に、自信を持って答えられるようになります

自己分析は1人で進めることも可能ですが、効率的に進めたい場合はキャリアアドバイザーに相談するのがおすすめです。キャリアアドバイザーに相談することで、自分では気づけない強みや価値観を、客観的な視点から引き出してもらえます。

弊社が実施する愛知・岐阜・三重に特化した「転職フェア」では、キャリアアドバイザーによる個別相談が行われているので、東海地方での転職を考えている方はぜひご活用ください。

模擬面接で練習する

企業の担当者を前にすると、どうしても緊張してしまいます。そのため、実際の面接に近い環境で模擬面接を行い、緊張感に慣れることが大切です

東海地方に特化した弊社の「転職エージェント」では、地元企業に詳しいキャリアアドバイザーと模擬面接を行えます。キャリアプランを一緒に設計し、スキルや経験を効果的に伝える方法を模索できるので、面接対策を強化したい方はぜひご活用ください。

まとめ

この記事では、転職面接でよく聞かれる質問15選と回答例を解説しました。事前に質問内容を把握しておくことで、自信を持って面接に臨むことが可能です。

また、過去の経験を整理し、自分の強みや価値観を明確にすることで、より説得力のある回答ができます。そのため、転職面接を成功させたい方は、この記事で紹介した準備方法を実践し、万全の状態で面接に挑んでみてください。

転職面接の成功率を上げたい方は、転職フェアや転職エージェントを活用するのがおすすめです。愛知・岐阜・三重に特化した「転職フェア」では、キャリアアドバイザーによる個別相談が実施されているため、自分の経験やスキルをアピールする方法についてアドバイスを受けられます。東海地方に特化した弊社の「転職エージェント」では、模擬面接や面接後のフィードバックを実施しており、効率的に面接対策を進められます。どちらのサービスも無料で利用できるので、東海地方での転職を考えている方はぜひお試しください。