近年、エンジニアとしてさらなるキャリアアップを目指し、転職を考える方が増えています。しかし「どのように転職活動を進めればいいかわからない」「自分に合った職場が見つかるか不安」と悩んでいる方も多いでしょう。

そこで、この記事ではエンジニア転職を成功させる方法7選を紹介します。市場動向や転職理由についても解説するので、エンジニア転職を考えている方は最後までご覧ください。

現在のエンジニア転職市場

現在のエンジニア転職市場では、以下のような動向が見られます。

  • 人手不足が続いている
  • 幅広い業界で求人が増えている
  • AI人材の需要が急増している

人手不足が続いている

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やAI分野の成長に伴い、高度なエンジニアスキルを持つ人材への需要が急速に高まっています。国もこの問題を重要課題として捉え、デジタル化を推進できる人材の育成を目指した施策に取り組んでいます。

2023年11月に経済産業省が公開した資料「第四次産業革命スキル習得講座認定制度の概要について」では、政府全体としてデジタル推進人材を育成するため、2024年末までに年間45万人の育成体制を整える目標が掲げられました

また、社会人のスキルアップ支援や職業訓練の充実を図り、2026年度までに合計で330万人のデジタル人材を確保する計画が進められています。これらの背景から、エンジニアは非常に需要が高く、転職市場で有利な職種といえるでしょう。

幅広い業界で求人が増えている

IT業界ではITエンジニアが、製造業では機械設計エンジニアや生産技術エンジニアが活躍しています。しかし、エンジニアが必要とされているのはIT業界や製造業だけではありません

たとえば、金融業界ではFintechという金融サービスと情報技術を組み合わせたサービスが急速に発展しています。キャッシュレス決済やネット銀行といった分野では、エンジニアの需要が特に高いです。

さらに、農業分野でもIT化が進んでいます。センサーを用いて作物の生育状況や環境をリアルタイムで把握し、農作業の効率化が図られています。また、ドローンを活用して農薬や肥料を散布し、作業の負担を軽減する農家も多いです。

エンジニアというとIT企業やメーカーをイメージする方が多いかもしれませんが、今ではあらゆる業界で活躍の場が広がっています

AI人材の需要が急増している

AI市場の急成長により、ビッグデータや自動運転技術が発展し、AI人材の需要が年々高まっています。経済産業省が2019年に実施した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大14.5万人のAI人材が不足すると予測されています。

このため、AIの分野で必要とされる機械学習や統計学の知識を持つ人材を確保しようと、高い給与水準や柔軟な働き方を導入する企業が増えていくでしょう

エンジニアが転職を考える理由

エンジニアが転職を考える理由は、大きく分けて次の5つです。

  • スキルアップできないから
  • 給与が低いから
  • 残業や休日出勤が多いから
  • 将来性を感じられないから
  • 企業文化が合わないから

スキルアップできないから

IT技術は日々進化しており、エンジニアには新しい技術や知識を継続的に学ぶことが求められます。そのため、スキルアップの環境が十分に整っていない職場では、多くのエンジニアがキャリアアップを目指して転職を考えます

特に、最新技術に触れる機会が少なかったり、長期間同じ業務に携わる状況が続いたりすると、キャリア形成に必要な経験を積むのが難しいと感じやすいです。

給与が低いから

データ分析やセキュリティ技術など、市場価値の高いスキルを持つエンジニアは、自分の技術が企業に与える影響をよく理解しています。そのため、自分の価値が給与に十分反映されていないと感じた場合、転職を検討することが少なくありません

また、日本のエンジニアの給与は、世界的な水準と比較して低い傾向があります。このような背景から、高い給与を求めて外資系企業や海外企業に転職をするエンジニアも増えています。

残業や休日出勤が多いから

プロジェクト型の仕事が多いIT業界や製造業では、納期やクライアントの要求に応えるために、長時間労働が発生しがちです。特に、システム開発や運用保守の分野では、トラブル対応や稼働スケジュールに合わせた作業が多く、エンジニアにとって負担になる場合があります

さらに、中小企業やスタートアップでは人員が限られているため、一人あたりの業務量が増える傾向があります。このような状況に不満を持つエンジニアが「もっと働きやすい環境でスキルを活かしたい」と考え、転職を検討するケースも多いです。

将来性を感じられないから

エンジニアは自身のスキルが将来的にも活かせるかどうかを重視するため、所属する企業や業界の将来性を慎重に見極めることが多いです。そのため、新事業や市場開拓への取り組みが不足している場合、将来性を懸念して転職を考えることがあります

また、売上の減少や市場シェアの縮小といった業績悪化も「このままでは会社の将来が危ういのではないか」と不安に感じる要因の1つです。さらに、企業内で昇進や役職に就くチャンスが限られている場合「このままでは市場価値を高められない」と感じ、新たな環境を求めて転職を考えるエンジニアも少なくありません。

企業文化が合わないから

エンジニアリングの現場では、チームワークと円滑なコミュニケーションが欠かせません。しかし、企業によってはコミュニケーションが一方通行で、自由に意見を言いにくい雰囲気になっていることがあります。

具体的には、トップダウン型の文化が強く現場の意見が反映されにくい環境や、オープンな議論が少なく閉鎖的な職場ではエンジニアが疎外感を抱き、転職を考えることが多いです

エンジニア転職を成功させる方法7選

エンジニア転職を成功させるためには、以下のポイントを意識することが大切です。

  • 転職理由を明確にする
  • 市場価値を把握する
  • 職務経歴書を簡潔にまとめる
  • ポートフォリオに実績をまとめる
  • 継続的にスキルアップする
  • 幅広い業界・職種を検討する
  • 転職エージェントを活用する

転職理由を明確にする

転職理由を明確にすることは、転職先で求める条件やキャリアプランを具体化するために重要です。たとえば「新しい技術を学びたい」「スキルアップできる環境がほしい」「ワークライフバランスを改善したい」など、自分が優先する項目を整理することで、企業選びがスムーズになります

さらに、採用面接では転職理由を聞かれることが多いため、理由が明確だと面接官に「目的意識を持って行動している」と評価されやすくなります。

市場価値を把握する

エンジニアの市場価値は、自身のスキルや業界知識、プロジェクト経験などのさまざまな要素によって決まります。この市場価値を把握することで、自分がどの業界や職種で強みを発揮できるかを理解し、より適切な転職先を選べるようになります

市場価値を知るためには、まず過去に携わったプロジェクトや具体的な実績を書き出し、自分の強みや弱みを整理することが効果的です。たとえば「クラウドシステムを導入し、データ管理の効率を50%向上させた」「生産ラインの自動化設備を設計・導入し、製造コストを20%削減した」など、自分の成果を具体的に振り返ることで、自身の市場価値を客観的に把握しやすくなります

職務経歴書を簡潔にまとめる

職務経歴書は、これまでの職務経験や実績を具体的に記載し、自分のスキルや能力をアピールするための重要な書類です。しかし、採用担当者は多くの候補者の書類に目を通す必要があるため、内容が分かりにくい場合、それだけで評価が下がる可能性があります

そのため、職務経歴書は一目でスキルや成果を理解してもらえるよう、内容を簡潔にまとめることが大切です。すべてのスキルや実績を盛り込む必要はありません。応募先企業やポジションに関連する情報だけを強調することで、採用担当者の関心を引く職務経歴書に仕上げられます。

ポートフォリオに実績をまとめる

ポートフォリオとは、成果物のリンクや使用したツールなどをまとめた作品集のことです。プログラマーやWebエンジニアなど、成果物が形として残る職種では、ポートフォリオを作成することで自分のスキルや実績を具体的に伝えられます。

たとえば、Webアプリケーションを作成した場合は、サービスのURLやGitHub上で公開しているコード、プロジェクトの成果などを1つにまとめておくのが効果的です。これにより、採用担当者に自分の技術力や取り組み姿勢をわかりやすくアピールし、選考を有利に進められます。

継続的にスキルアップする

IT業界や製造業では、技術革新のスピードが非常に速く、新しい技術やツールが次々と登場します。そのため、現状のスキルに満足せず、常に学び続けて市場価値を高めることが重要です。こうした継続的なスキルアップは、転職面接の際にも大きなアピールポイントとなります。

採用担当者は、応募者がどれだけ成長意欲を持ち、どの程度の専門知識を備えているかを確認しています。したがって「独学で技術士資格を取得しました」「趣味でWebサービスを開発しています」といった具体的なエピソードを伝えると、積極的に学び続けられる人材だと評価してもらえる可能性が高いです。

幅広い業界・職種を検討する

自分のスキルや経験が特定の分野でしか通用しないと思っている人もいますが、実際には異なる業界や職種で評価されることも少なくありません。たとえば、システム開発経験のあるエンジニアは、IT業界だけでなく、キャッシュレス決済が進む金融業界や遠隔診療を推進する医療業界でも活躍できます。

このように、スキルは1つの分野に留まらず、さまざまな業界で応用できる可能性があります。そのため、転職を検討する際にはこれまでの経験に縛られず、幅広い選択肢を視野に入れることが重要です

さまざまな業界や職種の中から、自分のスキルを活かせる場所を見つけるためには、転職フェアを活用するのがおすすめです。たとえば、弊社が実施する「エンジニア転職フェア」では、東海地方の技術系企業が一堂に集まり、さまざまな業界や職種を効率よく検討できます。

また、キャリアアドバイザーによる個別相談も実施しており、自分のスキルがどのような業界や職種で活かせるかを明確にすることも可能です。

転職エージェントを活用する

エンジニアは専門性が高い職種であるため、自分のスキルや経験にぴったり合った求人を探すのは簡単ではありません。そのため、転職エージェントにこれまでの経験や転職理由を伝え、希望に合った求人を提案してもらうことが重要です

さらに、転職エージェントを活用すれば「AIモデル構築の経験が、医療分野や環境保全の分野にも活かせる」といったように、新たなキャリアの可能性を広げるアドバイスを受けられます。

弊社が運営している東海地方に特化した「転職エージェント」では、一緒にキャリアプランを設計し、方向性に沿った求人を紹介しています。さらに、職務経歴書やポートフォリオの添削、模擬面接などの選考対策も行っているので、通過率を高めたい方はぜひ活用してみてください。

エンジニア転職でよくある質問

エンジニア転職を検討している方は、よくある質問についても確認しておきましょう。

  • 転職活動の最適なタイミングはいつ?
  • 年収交渉をしても大丈夫?
  • 未経験の業界・職種に挑戦できる?

転職活動の最適なタイミングはいつ?

1月~3月と7月~9月は、企業が新年度や下半期に向けて人材を確保するため、自分に合った仕事を見つけやすい時期といえます。一方で、日本全体でIT人材不足が続いており、多くの企業が通年で中途採用を行っています。

そのため、特定の時期にこだわらず、自身のキャリアアップのタイミングに合わせて転職をするのがおすすめです

年収交渉をしても大丈夫?

エンジニア転職の際に年収交渉を行うことは全く問題ありません。企業側も応募者が自分のスキルや経験に見合った条件を求めることは当然と考えており、誠実な交渉であれば悪い印象を与えることはありません

ただし、選考の初期段階では年収の話題を避けるのが無難です。このタイミングで話を切り出すと「給与だけで企業を選んでいる」と思われるリスクがあります。

未経験の業界・職種に挑戦できる?

エンジニアが未経験の業界や職種に挑戦するのは決して難しいことではありません。実際に多くのエンジニアがこれまでの経験を活かし、新しい分野や職種への転職を成功させています。

たとえば、生産技術職からデータサイエンティストに転向する場合、これまでの業務で培ったデータ分析や工程の最適化に関するスキルが大いに役立ちます。このように、過去の経験を新しい分野で活用できる場面は少なくありません。

エンジニアは幅広い業界で需要が高い職種なので、自分の経験やスキルを棚卸しし、興味のある分野に積極的に挑戦してみましょう

まとめ

この記事では、エンジニア転職を成功させるための方法や現在の市場動向、転職理由について解説しました。近年、AI活用やDXを推進する企業が増え、幅広い業界でエンジニアの需要が高まっています。

そのため、転職を考えている方は、この記事を参考にしながら幅広い業界や職種にチャレンジしてみてください。東海地方で転職を考えている場合は、弊社が実施している「エンジニア転職フェア」がおすすめです。愛知・岐阜・三重の技術系企業やIT企業が集結するため、効率よく情報収集を進められます。

また、東海地方に特化した「転職エージェント」では、職務経歴書やポートフォリオの添削が受けられます。どちらのサービスも無料で利用できるので、転職活動をスムーズに進めたい方はぜひ活用してみてください。